第61回日本消化器がん検診学会総会 The 61st Annual Meeting The Japan Society of Gastrointestinal Cancer Screen

プログラム

シンポジウム

ICTを駆使したがん検診のこれから
司会 松田 一夫(福井県健康管理協会県民健康センター)
   入口 陽介(東京都がん検診センター)

司会の言葉

日本におけるがん検診は市区町村での対策型検診と、職域における検診に大別される。しかしながらデータ共有がなされていないため、正確な受診率が不明で受診機会に恵まれない人もいる。また精検受診率も低く、諸外国ほどの効果を発揮していない。日本でも英国や北欧等に倣って、すべての対象者を名簿管理した組織型検診に移行する必要がある。一方、社会生活においては様々な分野でICT (Information and Communication Technology)の利活用が進んでいる。今回のシンポジウムでは、「がん検診の現状を正確に把握するためにデータを共有し、もって受診率・精検受診率を向上させ、がん死亡率減少につなげる」という戦略を想定し、ICTがどのように利活用できるか議論していただきたい。

パネルディスカッション

コロナ禍がもたらした消化器がん検診への影響と今後の課題
司会 加藤 勝章(宮城県対がん協会がん検診センター)
   山道 信毅(東京大学医学部附属病院 予防医学センター/消化器内科)

司会の言葉

2020年初頭より全世界を覆った新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックは、本邦でも全ての医療現場に甚大な影響をもたらした。2020年春の第1波の際には、リスクの把握、感染対策、全てが手探りの中で、不要不急の医療がストップし、がん検診の多くが中止に追い込まれたのは記憶に新しい。COVID-19の病態解明が進むとともに、感染対策が徐々に確立し、がん検診の殆どは再開したが、withコロナにおける安全な検診の模索が続くとともに、パンデミックの渦中でがん検診を行う意義が改めて問われたのも事実である。我が国の死亡原因の第1位は悪性腫瘍であり、withコロナ時代にあってもがん対策の重要性は変わりないが、コロナ前と異なり集団に伴う感染リスクが新たな不利益となり得る時代においては、がん検診の在り方も変容せざるを得ないのかもしれない。もちろん、負担増加が避けられない感染対策、コロナ禍がもたらした受診率低下の中長期的な影響、afterコロナに展開されるべきがん検診など、パンデミックによってもたらされた現実的な課題への対応も必要である。本セッションでは、コロナ禍と消化器がん検診について幅広い視野から応募をいただき、消化器がん検診の未来を見つめ直す討論の場にしたい。

ワークショップ

きたるべき大腸内視鏡検診を見据えて
司会 松田 尚久(東邦大学医療センター大森病院消化器内科)
   山口 和也(公益財団法人ちば県民保健予防財団総合健診センター 診療部)

司会の言葉

日本では、1992年から約30年にわたり便潜血検査免疫法を用いた対策型大腸がん検診が行われているが、近年の年齢調整死亡率は下げ止まりの状態にあり、大腸がん死亡者数は増加の一途を辿っている。全大腸内視鏡検査(TCS)による死亡率減少効果は、既に質の高い症例対照研究やコホート研究の結果から示されており、現在、国内外で進行中の5つのランダム化比較試験の結果次第では、日本でも対策型検診(一次検診)へのTCS導入の議論が一気に加速する可能性がある。他方、一次検診モダリティとしてのTCSの普及・実装を考えた場合、安全面や検査の質、データ収集における精度管理、検査処理能力、アドヒアランス、術者の要件設定などの点からその導入を不安視する意見もある。本セッションでは、それらの課題を浮き彫りにし整理しながら、きたるべきTCSを用いた対策型大腸がん検診を見据えた議論を行いたい。

特別講演

  1. 韓国の胃がん内視鏡検診の実情
    演者 Sun-Young Lee
       (Department of Internal Medicine, Konkuk University School of Medicine)
  2. コロナ関連
    演者未定

教育講演

  1. 倫理関係(演題未定)
    演者 久津見 弘(滋賀医科大学臨床研究開発センター)
  2. 病理関係(演題未定)
    演者 九嶋 亮治(滋賀医科大学病理学講座 人体病理学部門)

大腸がん検診精度管理検討研究会

大腸内視鏡検診医に求められる資質
司会 鈴木 康元(松島クリニック)
   只野 敏浩(宮城県対がん協会検診センター)

司会の言葉

大腸内視鏡検査(TCS)の実施目的は、大別すると有症状者を対象とした一般診療目的と無症状者を対象としたがん検診目的の2つになります。このうちがん検診目的は更に、①任意型検診における精検目的、②同スクリーニング目的、③対策型検診における精検目的、④同スクリーニング目的の4つに細分化されます。今回の附置研では、今はまだ実施されてはいませんが今後の導入が想定される④の「対策型検診におけるスクリーニング目的のTCS」を担当する「大腸内視鏡検診医に求められる資質」をテーマに議論したいと思います。

対策型検診においては、対象集団における死亡率減少効果(利益)と同時に不利益の最小化が求められています。演題応募をされる際には、これらの成果を担保すべく「大腸内視鏡検診医に求められる資質」として重要と思う項目をその理由とともに列記してください。なお、今回も昨年と同様、個々の発表はなく最初から議論をする形式をとりたいと思いますので、是非多くの演題応募を期待しています。

胃がんリスク評価に関する研究会

新時代の“胃がんリスク層別化検査(ABC分類)”の実践と課題
司会 間部 克裕(淳風会健康管理センター倉敷)
   安田 貢 (安田内科)

司会の言葉

本附置研究会が2012年に初めて開催され,以後リスク評価の実践と課題について多くの議論がされました。10年の経過と共にピロリ菌感染率は益々低下し、保険適用拡大に伴う除菌治療の普及、内視鏡検診の導入、検診対象年齢の引き上げ、検診間隔の変更、AIの開発、新たな血清抗体検査キットの登場など取り巻く環境は大きく変化しました。
今回は、「新時代の“胃がんリスク層別化検査(ABC分類)”の実践と課題」をテーマに,新しい時代において、胃がんリスク層別化検査(ABC分類)の果たす役割、適切な実施方法はどの様なものか、解決するべき課題は何かについて考え、議論したいと考えています。

胃がんリスクの極めて低いピロリ未感染者が益々増加する今後、対象集約やリスク別の検診間隔の設定、リスク者に対する確実な受診勧奨など、リスク評価の効果はより大きくなります。リスク評価の現状と将来を見据えた課題、胃X線や内視鏡など画像検査との組合せ、抗体キットの問題などはば広い演題応募を期待しています。

対策型胃がん内視鏡検診研究会

現行の対策型内視鏡検診マニュアルを見直す
司会 青木 利佳 (とくしま未来健康づくり機構 徳島県総合健診センター)
   赤羽 たけみ(奈良県立医科大学 消化器内科学講座)

司会の言葉

対策型胃がん検診に内視鏡検査が推奨され、2016年2月に当学会から「対策型内視鏡検診のためのマニュアル」が発刊された。新しく内視鏡検診を導入した市町村は、このマニュアルをもとにシステムを構築することができ、重要な役割を果たしている。一方、マニュアル発刊から約5年が経過し、基準撮影法の設定、二次読影の基準、ピロリ感染胃炎の経過観察の取り扱い、追跡調査を含む精度管理などマニュアルで明確にされていない事項が明らかにされつつある。今回、対策型内視鏡検診を担っている検査医、自治体や医師会などの立場からマニュアルの問題点、追加すべき点を挙げていただき、幅広い視点で改訂や新たに追加すべき事項について議論したい。

今回はWeb開催ならではの企画として、投票機能を利用し、視聴者の意見を反映したい。より良い内視鏡検診を目指して、数多くの施設から奮ってご応募いただき、視聴者の方にご投票いただき意見を集約したい。

放射線フォーラム

基準撮影法の現状と課題
司会 丸田 真也(国家公務員共済組合連合会東海病院)
   西川 孝 (元医療法人尚豊会みたき健診クリニック)

司会の言葉

ガイドラインの更新は時代背景や環境の変化に応じて行われ、その信頼性を保つ上で重要な要素であり、新・胃X線撮影法ガイドライン(2011)にも適応される概念である。
さて新・胃X線撮影法ガイドラインは2005年に策定され、2011年の改定を経て現在に至っており、改訂版から既に10年が経過した。この間、対策型検診では内視鏡検査が導入され、X線検診の読影判定にも背景粘膜診断によるH. pyloriの感染診断が取り入れられ、読影判定にもカテゴリー判定が導入され、更に技師による読影補助も制度化された。また物理的要因としては撮影装置がアナログ装置からデジタル装置へと劇的に更新が進んでおり、一方、受診者も高齢化が進むのと同時に外国人受診者の増加や難聴等の障害を持たれる受診者が増加してきている。これら受診者背景の変化は体位変換の困難例を増加させ、また誤嚥や腸管穿孔例などの偶発症の増加も招き、新・胃X線撮影法(2011)(基準撮影法)が遵守できる環境が変化してきた。

今回、これら背景や環境の変化を鑑み、本放射線フォーラムでは新・胃X線撮影法(2011)における課題と問題についてを議論し、更には新・胃X線撮影法(2011)の全国的な普及状況をエビデンスに基づいたデータでの分析を素にガイドライン改定の必要性についても議論されることを期待したい。

超音波フォーラム

ワークショップ:超音波検診判定マニュアル2021を活用する
司会 小川 眞広 (日本大学病院 消化器内科/超音波検査室)
   平井 都始子(奈良県立医科大学総合画像診断センター)

司会の言葉

超音波検診においては、がんの発見のみではなく、悪性腫瘍の境界病変に対する適切な判定、良性疾患の診断、びまん性肝疾患の有無、種々のハイリスクグループの可能性の判断などを的確に行うほか逐年検診症例においては適切な経時的変化の評価も行うことが重要な職責である。超音波検査の検査所見も含めた客観性の低さが常に問題として挙げられ、これに対し2014年に本学会が中心になり日本超音波医学会と日本人間ドック学会の3学会合同で腹部超音波検診判定マニュアルを発表し一石を投じた。その後、3学会の意見の集約とそのほかの検診に従事する学会をオブザーバーとして招聘し多数のご意見を聞きながら多くの会議を経て、今回腹部超音波検診判定マニュアル2021として改訂し発表した。各臓器のカテゴリーおよび判定区分表も臨床的に使用しやすく改訂されており、検診従事者にとって共通概念となるよう普及が今後の大きなポイントとなる。ここでは、これまでのマニュアルの活用方法を振り返りつつ新しくなったマニュアルの活用方法について討論を深めたい。活発な発表を期待します。

教育講演:肝腫瘤の鑑別診断
司会 岡庭 信司(飯田市立病院消化器内科)
演者 飯島 尋子(兵庫医科大学肝・胆・膵内科)

症例検討
司会 森 雅美 (PL病院)
   西村 重彦(住友病院 消化器外科・乳腺外科)

クイズセッション
司会 川端 聡 (住友病院)
司会 柴田 陽子(兵庫医科大学 臨床検査技術部)
司会 阪上 順一(市立福知山市民病院 消化器内科)